自己肯定感は高めようとしなくていい

ここ数年 “自己肯定感” という言葉をよく見かけるようになりました。

流行っている、とってもいいほどで、書店に行くと自己啓発本の棚にも、一般向けの心理学本の棚にも、ビジネス書の棚にも自己肯定感をテーマにした本が並んでいます。

自己肯定感という用語の定義は研究者によっても様々で、どうやら統一された定義はないようですが、多くの本やネット記事の説明をまとめると

自分の否定的な面も含めて、ありのままの自分で大丈夫という感覚

といった意味で使われているようです。

自己肯定感が低いと

・自信を持てなくなったり、
・不安などネガティブな感情を抱きやすかったり、
・失敗を恐れて挑戦できなくなる

などなど、とにかく良いことがないので自己肯定感を高めましょう、ということのようですが、わたしはこの主張に苦々しさを感じています。

というのも「自己肯定感を高めましょう」という言葉は

自己肯定感が高い人= ◎
      低い人= ×

ということを暗に(ハッキリと?)示していて、自己肯定感が低いと感じている人が、自分の “ありのままの状態” を受け容れるを妨げていると思うからです。

実際に

 
“自己肯定感の高め方” とかいう文字を見ると、今の自分を否定されている気がして落ち込む
 
それじゃなくてもつらいのに、さらにダメ押しされた感じ

というお声を聞くことがあります。

そんな “自己肯定感疲れ” に陥っている方に声を大にしてお伝えしたいのですが、自己肯定感を高めようなんて思わなくてもいい!のです。

それより大事なのは自分へのダメ出しに注意すること。

自己肯定感が低いと悩んでいる人は

「どうせ私は…」
「だから私はダメなんだ」

などと事あるごとに自分を責めたり、批判したりしがちです。

これこそが苦しみのモト。

つらい気持ちになっているときや気分が晴れないときはとくに

1)頭の中の言葉、つまり、自分が思っていることに注意を向けて

もし自分にダメ出ししていたら

2)どうしたら良くなるか?に頭を切り替える

ことを意識してみてください。

たとえば

「またミスをしてしまった、どうしてわたしは…」

と思っていることに気づいたら

「ミスをくり返さないようにするにはどうしたらいいか?」

を考える、というように。

自己肯定感を高めようとするより、

自分へのダメ出しに気づいたら、改善点を考えるようにする

ほうが、やることがハッキリしていて取り組みやすいと思いませんか。

 

自分をより良くするために努力し、少しずつ自分をアップデートしていく経験が積み重なっていくと、自ずと自分に対して肯定的になれるはず。

いや、自己肯定感という言葉自体が気にならなくなるかもしれません。

もし あなたが自己肯定感が低いと感じておられるなら、ぜひ1)2)を試してみてくださいね。

わたしたち皆が今の自分を認めながら、よりよい自分を創っていけますように。

 

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