マインド・トレーナーという仕事をしていると「なにかと考えすぎて不安になりやすいんです」という方によく出会います。
「今日 入力したデータにミスがあったらどうしよう」
「休み明けに厄介なメールが溜まってたらどうしよう」
「あの言い方は感じ悪かっただろうか」
などなど、頭の中の独り言が止まらなくなるのは大変なストレス。
私もかつて同じストレスを抱えていたので よく分かるのですが、頭の中の独り言は取りとめがないですよね。
失敗するかも、嫌われたかも、こうなるかも、ああなるかも、と あれこれ憶測してグルグルと堂々巡り。
「考えすぎる性格をなんとかしたい」と悩んでいたのですが、今振り返ってみると、ちっとも考えてなくて… 実はただひたすら思っていただけ、の “思いすぎ” でした。
考える とは、なんらかの結論を出すため、あるいは なんらかの行動を決めるために頭を使うこと。
明確な目的がなく、時には自覚すらせずに頭の中の独り言を続けている状態は、考えている とはいえません。
例えば「会議用の資料に不備はないかな。数字にミスがあったらどうしよう。皆の前で咎められるかもしれない。さらにプロジェクターに接続できなかったら…」と憶測を重ねて不安を膨らませている状態は “思っている” 状態。
一方で「会議用の資料に不備はないかな。明日は早めに出社して最終チェックをしよう。プロジェクターの接続も事前に確認しておこう。」と、行動を決めるのは “考えている” 状態です。
不安を感じているときは、たいてい何かを “思っている” もの。
つまり、根拠もなく物ごとを推測して悶々としているものです。
不安感に気がついたら “思う” のをやめて、「できることはあるかな?何ができるかな?」と “考える” に切り替えてみませんか。
できることがなさそうであれば、これ以上考えても仕方がないと諦めるのも立派な決断。
「ああなったらどうしよう」「こうなったらどうしよう」「なんとかしたいけど何もできない…」と悶々と思い続けるよりは納得感があって、ずっとスッキリするはずです。
ぜひ心がけてみてくださいね。